2024/02/15 23:41

こんにちは〜

2024年は(すでに2月も半ばですが)
くつ下にまつわる色々を
「くつ下のおはなし」と題して
僭越ながら書いてみることにしました。
くつ下のお役立ち辞典みたいになれば嬉しいです。

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→ポイントだけ箇条書きしていこうと思います。
Blog
→ちょっとマニアックな詳細を書いていこうと思います。
※随時追記もしていこうと思っています。

WOOL

ウールは羊の毛を刈って紡いた素材。
羊の種類はいろいろありますが、衣類に使用されるのはメリノウールがほとんど。
生まれ育った地域や環境でも特徴が異なったり特別な呼び方があったりするので
ここではベーシックなウールの特徴を書いていきます。

⚪︎upsides⚪︎
・あったかく、冬の定番。
ウールがあたたかいのは、繊維1本1本にクリンプ(縮れ)があるため。
縮れのある繊維が複雑に絡み合い、そこにたくさん空気を含みます。
空気をたくさん含むウールは「熱伝導率が低い」ので、体温であたたまった空気が外に逃げにくく、
「保温性が高い」=「あたたかい」というわけです。

・蒸れにくく実は夏も涼しく快適。
ウールは「熱伝導率が低い」素材。
熱伝導率が低いとは断熱材のような効果があるので、外気の影響を受けにくく、夏の暑さも感じにくいということ。
他にもウールには「優れた吸湿性と放湿性」があるため、蒸れにくい特徴があります。
汗の蒸発によって起きるゆるやかな気化冷却で快適な衣服内温度に調整するので、涼しい状態を保ってくれます。
サラリとしていてベタっと張り付く不快感がないのも涼しく感じる要因かも。

・弾力がある。
ウールはバネのように、元の状態まで戻るというすぐれた回復力と弾力性をもっています。
シワにもなりにくく型くずれしにくいのが特徴。

・汚れを寄せ付けにくい。
ウールは少しの水滴であれば弾く「撥水性」があります。
雨や水滴、泥などの水溶性の汚れを弾くので汚れがつきにくいといえます。
また不思議なことに「保水性」もあり、静電気が起こりにくい特徴があります。
静電気によるチリやホコリの付着を抑えてくれるので、汚れにくいクリーンな素材といえます。

・天然の抗菌消臭機能。
もともと皮膚の一部である毛には、皮膚がもつ免疫機能が備わっていて、菌の繁殖を抑制する働きがあります。
繊維の内部へ油や汚れが侵入しないので合成繊維や植物繊維のように菌が増殖して臭うことがありません。

・地球にやさしい。
タンパク質を主成分としているウールは土でも海でも生分解されます。
製造工程での水やエネルギー消費が他の繊維よりも少なく環境負荷の少ない繊維と言われています。

▼downsides▼
・虫食いにあいやすい。
天然繊維は虫に食べられてしまう心配があります。
特に虫は皮脂汚れや食べかすなどの汚れが大好物です。
保管の際はウールセーターなどと同様、汚れをしっかり落として防虫剤を入れるのがおすすめです。
セーターなどはアイロンがけも防虫に推奨されていますが、
くつ下は裏糸に伸縮性のある熱に弱い糸を使用しているので、アイロンがけは控えてください。

・洗濯で縮む/フェルト化しやすい。
濡れた状態で揉まれると繊維が絡んで縮みやゴワゴワした風合いの原因になります。
手洗い、または洗濯ネットに入れてドライコースのような生地へ負担がかからないコースで洗うのがおすすめです。
またアルカリ性洗剤や漂白剤はウールの繊維を溶かす恐れがあるため避けるようご注意ください。

・摩擦に弱い/毛玉になりやすい
ウールは糸の撚りが甘く、ふわふわな風合いの素材が多く、摩擦によって毛が絡まりやすいため「毛玉(ピリング)になりやすい」です。
お洗濯の際は「くつ下を裏返す」「洗濯ネットに入れる」「詰め込みすぎない」ことが予防になります。
毛玉になってしまったら、引っ張らないで、ハサミで丁寧にカットするのがおすすめです。
化学繊維の毛玉に比べてウールの毛玉は落ちやすい特徴があります。
その分生地が薄くなっていくので、お気に入りと長く付き合うにはできるだけ摩擦を避けることがポイントです。


ちなみに「アクリル」はウールを模した化学繊維。
⚪︎upsides⚪︎
・あたたかい
・発色が良くてファッション性が高い
・軽くて柔らかい
・強度がある
・虫食い・カビの心配がない
・安価で品質が安定している
▼downsides▼
・吸放湿性がないのでベタつきやすい
・静電気が起こりやすい
・毛玉になりやすい(頑固)
・あたたかさはやっぱりウールには劣る

化学繊維というと悪い点が気になってしまいがちですが、
ウールや綿と組み合わせることで、両方の長所を兼ね備え、取り扱いやすさを高めたりもします。